[医療安全] 持参薬と同系統薬剤の処方で生じた事故を、重要事例として提示

[医療事故情報収集等事業 第22回報告書(10/13)《日本医療機能評価機構》]

WIC REPORT - 2010年 10月 13日

» この記事を書いたメディアのページへ
日本医療機能評価機構は10月13日に、医療事故情報収集等事業の第22回報告書を公表した。本事業は、現場の医療安全確保に資することを目的に、医療事故情報やヒヤリ・ハット事例について全国的な収集・分析・情報提供を行うもの。
 今回の報告書では、平成22年4〜6月に機構に報告された医療事故等の情報を分析している。個別テーマとして取り上げられたのは、「病理に関連した医療事故」「持参薬の同系統代替薬を処方した際の医療事故」「経過表画面の薬剤量見間違えによる、ヘパリンの過量投与」などである。
 平成22年4〜6月に報告された医療事故は491件(p25参照)。内訳を見ると、「療養上の世話」が最も多く43.6%、次いで「治療・処置」21.2%となっている(p34参照)。死亡事例は7.7%(38件)にのぼっている(p34参照)。資料では、「事故発生場面と事故程度」(p37〜p38参照)や、「事故発生要因と事故概要」(p46〜p47参照)などについてクロス分析を行っている。
 また、同期間に報告されたヒヤリ・ハット事例は6648件(p55〜p57参照)。内訳は、「薬剤」39.2%が最も多く、次いで「療養上の世話」21.1%、「ドレーン・チューブ」15.9%という具合(p64参照)。全体の1.8%(53件)は、死亡・重篤な状況に至った可能性がある重大なものである(p64参照)。資料では、「事例発生場面と影響度」(p66〜p67参照)および「事例内容と影響度」(p68〜p72参照)などのクロス分析が行われている。
 個別テーマのうち、昨今注目される「持参薬」関連について見てみる。事故は、「持参薬(プロノン)が院内薬局で採用されていないため、同系統のタツピルジンが処方された。しかし、両剤は代謝経路が異なり、患者の腎機能が低下していたため、過量投薬状態となり、意識障害を起こした」というもの。改善策として、(1)薬効だけでなく、患者背景も十分に検討する(2)薬剤師は、疑義が生じた場合に患者背景などを確認する(3)同系統の意味について共通認識を持つ―などが採られている(p105〜p108参照)。
(本資料のページは、資料本体に合わせています)

※続きをご覧いただくためには、ログインが必要です。
mail   pass

※医時通信を利用するにはユーザー登録が必要です

関連資料

※資料をご覧いただくためには、ログインが必要です。
mail   pass

mail
pass

医時通信について

よくある質問