[労働衛生] メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は60.7%で上昇傾向

[平成25年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況−厚生労働省(H26.9.25)]

精神科医療行政ニュース - 2014年 10月 03日

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 厚生労働省は9月25日、平成25年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況を公表しました。
 この調査は、事業所が行っている安全衛生管理や、労働災害防止活動、安全衛生教育の実施状況等の実態、そこで働く労働者の労働災害防止等に対する意識を把握することを目的としたものです。
 毎年テーマを変えて実施されており、平成25年度は、第12次労働災害防止計画の重点施策を中心に、事業所調査では、リスクアセスメントの実施状況、メンタルヘルス対策、非正規労働者対策に関することを、労働者調査では、安全衛生意識に関することなどが報告されています。

 調査対象期間は、原則として平成25年10月31日現在(一部については、平成24年11月1日〜平成25年10月31日)で、事業所調査は、調査対象数1万3124のうち有効回答数9026(有効回答率68.8%)、労働者調査は、調査対象数1万7200のうち有効回答数1万203(有効回答率59.3%)でした。

 調査結果から、事業所調査における「メンタルヘルス対策」について着目して見てみます。
 過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業または、退職した労働者がいる事業所の割合は10.0%で、24年調査(8.1%)より1.9ポイント上昇しています。産業別にみると、「情報通信業」が28.5%と最も多く、次いで、「電気・ガス・熱供給・水道業」が26.2%、「複合サービス事業」が22.9%などとなっています。ちなみに、「医療、福祉」は12.3%という状況です。
 メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業または、退職した労働者がいる事業所のうち、職場復帰した労働者がいる事業所は51.1%、24年調査(55.0%)よりやや低下しています。
 職場復帰に関する職場ルールの有無について見てみると、「明文化されていないが、その都度相談している」が39.8%と最も多く、次いで「職場のルールはない」が28.5%となっています。

 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は60.7%で、23年調査(43.6%)、24年調査(47.2%)と上昇。また、事業所規模が大きくなるほど取り組んでいる割合が高い傾向であることが分かりました(300人以上のすべての規模で90%以上)。
 取組内容(複数回答)は主に、「労働者への教育研修・情報提供(46.0%)」、「事業所内での相談体制の整備(41.8%)」、「管理監督者への教育研修・情報提供(37.9%)」などとなっています。

 ストレスチェックを実施した事業所のうち、医師等の専門家による面談等を実施した事業所は42.0%で、24年調査(36.3%)より5.7ポイント上昇しています。面談等の実施者・実施機関では、多い順に、「産業医(52.5%)」、「健康診断機関(27.3%)」、「産業医以外の医師(外部の医師)(18.7%)」と続きます。

 一方、メンタルヘルス対策に取り組んでいない理由を見てみると、「該当する労働者がいない」が39.0%と最も多く、「取り組み方が分からない」が25.3%、「必要性を感じない」が21.8%などとなっています。

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