[診療報酬] DPCから地域包括ケア病棟へ転棟、DPC点数を算定しないこと確認

[疑義解釈資料の送付について(その7)(6/2付 事務連絡)《厚生労働省》]

精神科医療行政ニュース - 2014年 06月 06日

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 厚生労働省は6月2日に、疑義解釈資料の送付(その7)について事務連絡を行った。
 今回は、【入院基本料】【精神保健福祉士配置加算】【抗悪性腫瘍剤処方管理加算】【短期滞在手術等基本料】【リハビリ】【DPC】などについてQ&Aを掲載している。気になる部分を見てみよう。
 
【入院基本料】
 平成26年度診療報酬改定では、一般病棟やICU、HCUにおける「重症度、医療・看護必要度」の基準が見直された。あわせて、「重症度、医療・看護必要度」の評価手法についても一部見直しが行われている。
 たとえば評価時刻について、従前は「一定の時刻で行うこと」とされていたが、26年度改定では「24時」に変更されている。また評価対象時間については、「前日の評価後から本日の評価時刻まで」とされていたものが、「0時から24時の24時間」とされた。
 この点について厚労省は、「たとえば14時に全患者について重症度、医療・看護必要度を入力し、24時の時点で病態に変化のある患者のみ再入力するといった対応でも可能」とし、必ずしも24時に入力する必要のないことを明らかにしている(p2参照)。
 
【精神保健福祉士配置加算】
 平成26年度改定では、精神療養病棟入院料等において専従の精神保健福祉士(PSW)を配置することを評価する【精神保健福祉士配置加算】が新設された。
 これは精神療養病棟ではPSWの配置を手厚くすることが在宅復帰につながるとの研究結果をベースにしたものだが、単なる配置だけではなく「新規入院患者の7割(精神病棟入院基本料では9割)が入院から1年以内に在宅復帰すること」などが要件として盛込まれた。
 この在宅復帰率の計算について、厚労省当局は次のように例示している(p2〜p3参照)。
(1)同加算を算定するA病棟→同加算を算定するB病棟→在宅のケース
 このケースでは、B病棟で在宅復帰率に含め(分母・分子に計上)、A病棟では在宅復帰と扱わない(分母・分子ともに計上しない)
(2)同加算を算定するA病棟→同加算を算定しないC病棟→同加算を算定するA病棟→在宅のケース
 このケースでは、A病棟において、分母に1回目の入棟のみを計上し、分子は在宅移行時を計上する
(3)同加算を算定するA病棟→在宅→同加算を算定するA病棟(再入院)→在宅(最初の入院から起算して1年以内)のケース
 このケースでは、A病棟において、分母に1回目の入棟のみを計上し、最後の在宅移行を分子に計上する(1回目の在宅移行、再入院は計上しない)
 
【短期滞在手術等基本料】
 平成26年度改定では、短期滞在手術等基本料3を全包括点数化するとともに、対象疾患を拡大した。
 この点、水晶体再建術を同時に両眼に行う場合には短期滞在手術等基本料3の所定点数しか算定できないため、医療現場では「右眼の水晶体再建術を行った後に一度退院していただき、再度の入院で左眼の水晶体再建術を行う」などの対応をとるケースが増加すると見られている。
 この点について厚労省は、次のような事例をあげて診療報酬の算定方法を説明している(p3〜p4参照)。
(1)4月10日に入院→11日に右眼の水晶体再建術を実施(入院から5日以内)→13日に退院(同)→17日に入院(退院日から7日以内)→18日に左眼の水晶体再建術を実施→19日に退院
 この場合、最初の入院については【短期滞在手術等基本料3】を算定し、後の入院については退院日から7日以内の再入院ゆえに出来高算定となる。
(2)4月10日に入院→11日に右眼の水晶体再建術を実施(入院から5日以内)→13日に退院(同)→24日に入院(退院日から7日超)→25日に左眼の水晶体再建術を実施→26日に退院
 この場合、最初の入院、後の入院ともに【短期滞在手術等基本料3】を算定することになる。
 
【投薬】
 平成26年度改定では、向精神薬等の多剤投与を行う場合の減算規定が設けられた。これに関連し、多剤投与を行った医療機関では、年に1回、「6月単月の向精神薬多剤投与の状況」を地方厚生局に報告しなければならない。
 この点、平成26年9月までは減算が猶予されるが、厚労省当局は「平成26年6月の状況を、平成26年9月30日までに報告する」よう求めている(平成27年度以降は、毎年7月31日までに報告する)(p4〜p5参照)。
 
【DPC】
 平成26年度改定では、【地域包括ケア病棟入院料】【地域包括ケア入院医療管理料】が新設された。
 病室単位の【地域包括ケア入院医療管理料】については、DPCからの転室患者について「特定入院期間中は引続きDPC点数を算定し、特定入院期間後は地域包括ケア入院医療管理料を算定する」ことが示されている。
 一方、病棟単位の【地域包括ケア病棟入院料】については、DPC病棟からの転棟患者について「特定入院期間中であっても、転棟後は地域包括ケア病棟入院料を算定する(DPC点数の算定は継続しない)」ことが確認された(p12参照)。
 ちなみに、この点に関するQ&A(4月4日付の疑義解釈その2)が一部修正されているのでご留意いただきたい(p12参照)。
 
 なお、3月31日付の疑義解釈(その1)(p10〜p11参照)、4月4日付の疑義解釈(その2)(p12参照)、4月10日付の疑義解釈(その3)(p13参照)、4月23日付の疑義解釈(その4)(p14参照)、5月1日付の疑義解釈(その5)(p15参照)についても一部訂正が行われている。

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