[精神医療] 長期入院精神障害者の地域移行は、病院が病床削減可能な財政支援も必要

[長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会(第2回)−厚生労働省(H26.5.12) 長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム(第3回)−厚生労働省(H26.5.20)]

精神科医療行政ニュース - 2014年 05月 23日

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 厚生労働省は5月12日に、「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」を開催しました。
 2回目となったこの日は、4月8日・25日に開催された作業チームでの検討内容が報告されました。作業チームでは、長期入院精神障害者の地域移行に向けて、大きく、(1)退院に向けた意欲の喚起(2)本人の意向に沿った移行支援(3)地域生活の支援、の3つの視点(課題)に対して、構成員等から意見を聴取していました。その内容を取りまとめています。
 また、(1)長期入院精神障害者等からの意見聴取結果の報告(2)退院意欲の喚起、本人意向に沿った支援等に関するヒアリング(3)長期入院精神障害者の地域移行に向けた課題と対策の方向性、の3つをこの日の議題としています。
(1)では、(ア)入院中の精神障害者等に対する意向確認(イ)退院支援施設及び地域移行型ホーム等への調査などの集計結果が報告されました。
 (2)では、社会福祉法人巣立ち会の田尾理事長や、NPO法人大阪精神医療人権センターの山本副代表などからヒアリングを行いました。


 さらに、厚労省は5月20日に、同検討会の作業チームを開催し、これまでの議論の整理を行いました。
 長期入院精神障害者に対する地域移行に向けた具体的方策を取りまとめています。その上で、精神科入院医療の将来像としては、大きく(1)長期入院精神障害者の地域移行を進めることにより、不必要となる病床を削減、(2)併せて、その資源を急性期病床や地域医療等、必要な医療に集約することにより、良質かつ適切な医療の体制を実現する方針を示しています。
 この将来像を実現するためには、本人に対する支援として、「退院に向けた意欲の喚起」「本人の意向に沿った移行支援」「地域生活の支援」するほか、病院が病床削減できるための財政的な支援方策も必要としています。
 具体的には、「生活の場」に近い病床に入院している患者を、自宅やグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅に移行させ、患者が退院した病床を削減し、そこに従事していたスタッフを、急性期や重度かつ慢性といった必要な医療に集約したり、地域生活を支えるための医療・福祉へと地域移行させたりといった考えです。

 

 

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