[改定速報] 26年度改定の疑義解釈第2弾、地域包括診療料を詳説

[疑義解釈資料の送付について(その2)(4/4付 事務連絡)《厚生労働省》]

平成26年度 診療報酬改定 完全速報 - 2014年 04月 07日

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 厚生労働省は4月4日に、「疑義解釈資料の送付(その2)」について事務連絡を行った。
 今回は、新たなQ&Aを掲載しているほか、3月31日に公表した「疑義解釈(その1)」のQ&Aを一部訂正している。
 
 まず、新たなQ&Aについて見てみよう。
【地域包括診療料・地域包括診療加算】
 【地域包括診療料】は初診時には算定できないが、同一月に再度の受診があった場合には算定できることを明確化。この際、初診時の費用は出来高で算定できることも明らかにしている(p2参照)。
 
 また、【地域包括診療料・加算】は、(1)高血圧症(2)糖尿病(3)脂質異常症(4)認知症―の4疾病のうち2つ以上を有する患者が対象となる。この点、対象患者が上記4疾病以外で受診した場合には、「他の疾患の受診時に、当該点数の対象疾病の管理も行い、他の要件をすべて満たしていれば算定可能である」ことが明確にされた(p2参照)。
 
 ところで、【地域包括診療料・加算】では、「患者がかかっている医療機関をすべて把握し、処方されている医薬品をすべて管理し、カルテに記載する」ことが施設基準の1つとなっている。
 この点、他医療機関と連絡がとれない場合にはどうなるのだろうか?
 厚労省は「受診時の直近の投薬内容をすべて把握できない場合は、当該点数は算定できない」とコメントしている(p2参照)。
 
【入院基本料】
 平成26年度改定では、7対1一般病棟等に係る「重症度、医療・看護必要度(従前は重症度、看護必要度)」の基準が見直された。
 このため一部の7対1一般病棟では、重症度、医療・看護必要度に係る施設基準(A項目2点以上かつB項目3点以上の患者が15%以上)を満たせなくなってしまう。そこで、厚労省は半年間の経過措置(26年3月31日時点で7対1の重症度、看護必要度を満たしていれば、26年9月30日までは重症度、医療・看護必要度を満たしているとみなす)を設定している。
 この点、【急性期看護補助体制加算】【夜間急性期看護補助体制加算】についても、平成26年9月30日までの経過措置期間中は「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たさなくとも届出可能であることを明らかにしている(p3〜p4参照)。
 
 また、平成26年3月末まで7対1(経過措置ではない)の基準を満たしていた病院が、26年4月1日から10対1の届出をした場合、3月末時点で「重症度、看護必要度」の基準を満たしていれば10対1の【看護必要度加算】を算定できることが明らかにされている(p4参照)。
 
【医師事務作業補助体制加算】
 平成26年度改定では【医師事務作業補助体制加算1】が新設され、施設基準として「補助者の延べ勤務時間数の8割以上の時間において、病棟または外来で業務が行われている」旨が規定された。
 この点、(1)補助者1人1人について8割以上要件を満たす必要がある(2)放射線科や病理科などにおいて、入院医療や外来医療を行ってはいないものの、医師の直接の指示下で医師事務作業補助を行っている場合は、病棟・外来の勤務時間数に含める―ことが明確にされた(p5〜p6参照)。
 
【ICU】
 新設された【特定集中治療室管理料1・2】では、「ICU経験5年以上の医師2名を含む専任医師が、常時ICU内に勤務している」ことが施設基準の1つとして設定された。
 この点、ICU経験5年には「集中治療部門(集中治療部、救命救急センター等)経験5年以上」も含まれるが、この場合には「特定集中治療に習熟していることを証明する資料の提出」が必要となることが、3月31日付の疑義解釈(その1)で規定された。
 この「特定集中治療に習熟していることを証明する資料」は、日本集中治療医学会などの関係学会が行う特定集中治療に係る講習会を受講していること、および特定集中治療に係る専門医試験における研修を含むことが明らかにされた。
 この講習会の資料については、実講義時間として合計30時間以上の受講証明(講師としての参加を含む)、及び「呼吸管理」「循環管理」「脳神経管理」「感染症管理」「外因性救急疾患管理」「生命倫理」などが含まれることが必要だ(p6参照)。
 
【地域包括ケア病棟入院料】
 新設された【地域包括ケア病棟入院料】には、さまざまな施設基準が設定され、その中には選択項目として「在宅療養後方支援病院の届出を行い、直近1年間の在宅患者の受入実績が3件以上」という項目が盛込まれた。
 この点、平成26年9月30日までの間に限って、「在宅療養後方支援病院の届出を行い、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の届出を行う場合には、直近1年間でA206【在宅患者緊急入院診療加算1・2・3】の算定回数合計が3件以上であれば基準を満たすとみなす」ことが明らかにされた(p7〜p8参照)。
  
【医学管理等】
 維持期リハについて、医療保険から介護保険へ移行させるために新設されたB005-1-3【介護保険リハビリテーション移行支援料】について、次のようなことが明らかにされた(p9参照)。
●【介護保険リハビリテーション移行支援料】を算定した後、手術や急性増悪で医療保険の疾患別リハ料を算定し、再度、介護保険のリハへ移行する場合には【介護保険リハビリテーション移行支援料】は算定できない
●同一保険医療機関内で、医療保険リハから介護保険リハへ移行する場合には【介護保険リハビリテーション移行支援料】は算定できないが、『特別な関係の事業所』の介護保険リハへ移行する場合には算定できる
 
【がん患者指導管理料】
 がん患者カウンセリング料を改組した【がん患者指導管理料】は、(1)医師が看護師と共同して治療方針を話し合い、内容を文書等で提供した場合(管理料1:500点)(2)医師または看護師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合(管理料2:200点)(3)医師または薬剤師が抗がん剤の投薬・注射の必要性等について文書で説明を行った場合(管理料3:200点)―の3区分に設定されている。
 この点、【管理料1】には、【管理料2】【管理料3】の指導が含まれることから、【管理料1】を算定したのと同じ日に【管理料2】または【管理料3】は算定できないことが明らかにされた(p10参照)。
 ただし、【管理料2】を算定した日に、【管理料3】を算定することは、もちろん要件を満たしたうえで可能である(p10参照)。
 
 なお、緩和ケアチームの専従看護師が、緩和ケアチームの時間外に【管理料2】を算定することは可能だが、1日あたりの算定患者数は【緩和ケア診療加算】【外来緩和ケア管理料】【がん患者指導管理料2】の合計で30人以内に限定される(p11参照)。
 
【在宅医療】
 【在宅時医学総合管理料】【特定施設入居時等医学総合管理料】については、同一建物居住者について点数を4分の1に減算する規定が新設された。
 この点、「【在宅患者訪問診療料】を1ヵ月に2回以上算定し、うち1回以上、同一建物以外の【在宅患者訪問診療料】を算定した」場合には、同一建物居住者以外の減算されない在総管等を算定できることが改めて確認された(p11参照)。
 
 
 なお、疑義解釈(その1)の修正点は、さまざまな点数項目の施設基準に盛込まれた研修の定義について、「現時点の定義」であることを明確にするものがほとんどだ(p15〜p18参照)。

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