[26年度改定] 26年度薬価制度改革固まる、後発品への置換えを強力推進

[中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第100回 1/22)《厚生労働省》]

平成26年度 診療報酬改定 完全速報 - 2014年 01月 22日

» この記事を書いたメディアのページへ
 厚生労働省は1月22日に、中医協の薬価専門部会を開催した。
 この日は、平成26年度の薬価算定基準等の見直し案が厚労省当局から示され、これを了承した。見直し案は中医協総会でも了承されている。
 
 26年度薬価制度改革の大枠は、昨年末の薬価専門部会・総会(12月25日)で固められており、今回の見直し案は、これを精緻化したものと言える。
 見直しのポイントをおさらいすると次のとおりだ。
【既収載品】
●一定期間(5年)を経ても後発品への置換えが進まない(置換え率60%未満)長期収載品について、次のような特例的な引下げを制度化する(いわゆるZ2)とともに、従前の「初めて後発品が収載された長期収載品価格の引下げ」(特例引下げ)を廃止する(p3〜p5参照)。
・置換え率20%未満ではマイナス2.0%
・置換え率40%未満ではマイナス1.75%
・置換え率60%未満ではマイナス1.5%
 
●既収載後発品の価格について、次のように3つにグルーピングして設定する(p5〜p7参照)。
・最高価格の30%を下回る算定額となるものについては、全該当品目を加重平均した算定額(統一名)とする
・最高価格の30%以上50%未満の算定額となるものについて、全該当品目を加重平均した算定額(銘柄別)とする
・最高価格の50%以上の算定額となるものについて、全該当品目を加重平均した算定額(銘柄別)とする。
 
●注射剤の最低薬価について、(1)100ml未満(1管または1瓶、以下同)では局方品95円(消費増税対応後、以下同)、その他医薬品58円(2)100ml以上500ml未満では局方品113円、その他医薬品69円(3)500ml以上では局方品149円、その他医薬品91円―という3つの区分を設け、きめ細かく対応する(p7〜p10参照)(p26〜p30参照)。
 なお、注射剤に限らず最低薬価は消費増税対応に基づき引上げを行う(たとえば局方品の錠剤では、これまでの9.60円を9.90円に引上げる)。
 
●新薬創出・適応外薬解消等促進加算について「試行を継続」するとともに、対象品目を次のいずれかの企業の製品に限定する(p10〜p16参照)。
(i)「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(以下、未承認薬等検討会議)における検討結果を踏まえ厚労省が開発を要請する適応外薬等を開発し、もしくは現に開発に従事している、または開発の公募に応募し開発に向けた取組を行った、もしくは現に行っている製造販売業者
(ii)「真に医療の質の向上に貢献する医薬品」(小児もしくは希少疾病領域を対象とした医薬品、または難病等既存の治療薬では十分な効果が得られない疾病に対する医薬品等)の研究開発を行っている製造販売業者
 
【新薬】
●原価計算方式によるイノベーション評価範囲を拡大し「平均的な営業利益率のマイナス50%〜プラス100%の範囲内の値」とする(p16〜p17参照)。
 
●以下の要件を満たす新薬を対象として、市場性加算(I)と同様の10%の加算『先駆導入加算』を新設する(p17〜p18参照)。
・外国(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスに限る、以下同)および我が国のいずれかの国において承認されている既存の薬剤とは異なる新規の作用機序を有する
・外国に先駆けて我が国で、最初に薬事承認を取得した
・我が国だけで流通する見込みの医薬品でないことが外国での開発状況(開発計画を含む)や治験届等により確認されている
・画期性加算または有用性加算(I)の適用を受ける
 
●外国平均価格調整において、次の見直しを行う(p18〜p20参照)。
・いわゆる「5倍ルール」(外国平均価格算出にあたり最高価格が最低価格の5倍を超える場合には、当該最高価格を除外して計算する)を「3倍ルール」に改める
・「外国平均価格の2分の3を上回った場合に価格調整を行う(1.5倍ルール)」としているところを、「4分の5を上回った場合に価格調整を行う(1.25倍ルール)」へと改める
 
●新規の後発品価格について、「先発品の100分の70(内用薬については、銘柄数が10を超える場合には100分の60)とする」としているところを、それぞれ「先発品の100分の60」「先発品の100分の50」に引下げる(p20〜p22参照)。

関連資料

※資料をご覧いただくためには、ログインが必要です。
mail   pass

mail
pass

医時通信について

よくある質問