[精神医療]アルコールや薬物等における依存症に対する医療や回復支援のあり方を検討

[依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会-厚生労働省(H25.1.31)]

精神科医療行政ニュース - 2013年 02月 08日

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厚生労働省は昨年11月に「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」の初会合を開催し、これまでに計3回の会合を重ねています。

 

常習飲酒の運転者等が事故を起こすニュースがあとを絶ちませんが、その背景にあるのは、アルコールの依存にあります。また、アルコールに留まらず、覚せい剤等の薬物に対する依存者も多く存在します。そのため、これらの依存症者に対する医療やその回復支援に特化した取組を行っていくことが求められています。しかし、依存症の治療を行う医療機関が少ないことや、依存症に関する効果的な治療方法が見つかっていないことなど、依存症者が適切な治療を受けられていない現状にあります。

 

そこで同検討会は主に、(1)依存症者やその家族が身近に相談できる場所の提供(2)精神科医療機関で適切かつ継続的に依存症治療を受けられる体制の整備(3)患者の個別の状態像に応じた各種治療・回復プログラムの研究・開発(4)医療機関、行政、自助団体、依存症者の家族等の連携体制の強化(5)その他依存症者に対する治療及びその回復支援のために必要な事項、について議論を行うために設置されました。

 

初会合(1129日)では、アルコール、薬物依存症患者の現状が提示されました。それによると、平成20年には、アルコールによる精神および行動障害の患者は約5万人にのぼり、アルコール以外の薬物による精神および行動障害の患者は約16千人で増加傾向にあります(全国に、アルコール依存症者は約80万人、薬物依存症者は約10万人いると推計されています)。

またこの日は、依存症対策に関する厚生労働省の取り組みも報告されました。取り組みの一つである「地域依存症対策推進モデル事業」は、地域におけるアルコール・薬物依存症対策を推進するため、北海道、栃木県、長野県、山口県、佐賀県、岡山市、鳥取県、北九州市の8自治体をモデルに選定し、平成21年度から23年度に実施されています。

2回(1221日)では、国立病院機構 肥前精神医療センター院長である杠岳文先生、全国自治体病院協議会精神科特別部会 運営委員の川副泰成構成員、全国精神保健福祉センター長会 副会長の田辺等構成員からヒアリングを行っています。このほか、第3回(131日)では、依存症の当事者や家族等からそれぞれヒアリングを行っています。

同検討会は今後、2回の会合を経て、3月中に報告書案をまとめる予定です。

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