[医療計画] 合同症例検討で精神科患者の診療体制構築、新の医療計画素案

[東京都保健医療計画推進協議会(平成24年度 第3回 12/13)《東京都》]

精神科医療行政ニュース - 2012年 12月 21日

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東京都は12月13日に保健医療計画推進協議会を開催し、「東京都保健医療計画 第5次改定 計画素案」について議論を行った。
 保健医療計画(医療計画)については、平成25年度から(1)従来の4疾病5事業に、精神医療・在宅医療を加えた「5疾病5事業および在宅医療」とする(2)2次医療圏の見直し(3)PDCAサイクルによる計画のブラッシュアップ―という大きく3つの見直しが行われる。東京都では、23年5月から新たな医療計画策定の検討を進めている。
 計画素案を見てみよう。
 まず計画期間は、25〜29年度の5年間(p19参照)。具体的な医療計画として、(i)5疾病5事業(p70〜p158参照)(ii)在宅医療(p159〜p166参照)(iii)リハビリテーション(p167〜p172参照)(iv)医療安全対策(p173〜p176参照)(v)保健・医療・福祉の連携(p178参照)(vi)健康づくり(p179〜p188参照)―などについてまとめている。
 (i)の5疾病は「がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患」、5事業は「救急、災害、へき地、周産期、小児」をさす。
 このうち、新たに盛込まれた「精神疾患」については、(a)早期に適切な医療が受けられるように、精神科や一般診療科に加え、相談支援機関等との連携を構築し「日常診療体制」を強化する(b)精神科救急医療体制について、初期救急・二次医療・緊急措置入院等を安定的に確保するとともに、精神身体合併症救急医療においては、一般救急と精神科医療の連携体制を構築する(c)精神疾患患者や家族が地域で安定した生活を送れるよう「地域生活支援体制」を整備する―ことを打出している(p99〜p113参照)。
 具体策を見ると、たとえば(a)の日常診療体制の強化では「一般診療科医と精神科医との合同症例検討会の実施」、(b)の精神科救急医療提供体制の整備では「地域救急会議などを通じた、一般救急と精神科救急との相互連携の強化」「地域で拠点となる精神科医療機関を核とした、一般救急医療機関からの相談・受入体制整備」などが目立つ(p104〜p108参照)。
 ほかにも、認知症対策を強化するために、「認知症疾患医療センターの拡充」「認知症退院患者の平均在院日数短縮」「多職種協働研修の実施」などを行う方針を明確にしている(p109〜p113参照)。
 また(ii)の在宅医療も新たに盛込まれる事項だ。具体的には、「在宅療養支援相談窓口の設置による市町村の支援」「24時間安心な在宅療養体制の整備」「早期退院支援や地域連携の強化」「人材育成」などが内容となる(p159〜p166参照)。
 さらに(vi)の健康づくり対策においては、がん予防(検診による早期発見・早期治療など)、糖尿病・メタボ予防(情報提供の強化等)など、中長期的に医療費の伸びを抑える方策が示されている(p178〜p190参照)。
 なお、基準病床数(地域で必要な病床数)については、「国の示す算定式に基づき、直近のデータを用いて今後算定する」と述べるにとどめている(p49参照)。

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