[精神医療]セクハラで精神障害を発病した場合、労災請求の相談を

[セクシュアルハラスメントが原因で精神障害を発病した場合は労災保険の対象になります―厚生労働省(H24.8.27)]

精神科医療行政ニュース - 2012年 08月 31日

» この記事を書いたメディアのページへ

厚生労働省は、「心理的負荷による精神障害の認定基準」を定めています。これは、労働者の発病した精神障害が、業務上として労災認定できるか否かを判断するためのものです。

本認定基準で対象となる疾病は、ICD-10の「精神および行動の障害」に分類される精神障害であって、器質性のもの、および有害物質に起因するものは対象外です。いわゆる心身症は、本認定基準における精神障害には含まれていません。また、発病前のおおむね6か月間に起きた業務による出来事が起因して、強い心理的負荷が認められる場合に、認定要件の一つを満たすとしています。

 業務による心理的負荷の強度の判断は、精神障害発病前のおおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務の中で、どのような出来事があり、また、その後の状況がどのようなものであったのか、具体的に把握し、それらによる心理的負荷の強度の程度を、「強」、「中」、「弱」の3段階に区分します。

 厚生労働省は827日に、セクシュアルハラスメントが原因で精神障害を発病した場合は労災保険の対象になることをまとめたリーフレットを公表しています。リーフレットでは、セクシュアルハラスメントによる心理的負荷の3段階について、具体例を紹介しています。

例えば、胸や腰などへの身体接触を含むセクシュアルハラスメントであって、(1)継続して行われた場合(2)行為は継続していないが、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった、または会社へ相談などをした後に職場の人間関係が悪化した場合―は、「強」と評価される、としています。また、身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであっても、(1)発言の中に人格を否定するようなものを含み、かつ継続してなされた場合(2)性的な発言が継続してなされ、かつ会社がセクシュアルハラスメントがあると把握していても適切な対応がなく、改善がなされなかった場合―も同様に、「強」と評価されることが示されています。

セクシュアルハラスメントを受けた人にとっては、詳細を話したくない、被害を思い出すことは苦痛、と悩んでいることが少なくありません。リーフレットでは、労災請求に関する相談、手続きの方法などを説明していますので、参考になさってください。

関連資料

※資料をご覧いただくためには、ログインが必要です。
mail   pass

mail
pass

医時通信について

よくある質問