[改定情報] 新薬創出等加算の企業指標廃止を 薬価部会が業界ヒアリング

[中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第154回 7/24)《厚生労働省》]

2020年度診療報酬改定ニュース - 2019年 07月 24日

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 中央社会保険医療協議会・薬価専門部会は7月24日、2020年度の薬価制度改革について、関係業界から意見を聴取した。このなかで、日本製薬団体連合会(日薬連)などは、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、新薬創出等加算)」の企業指標について、公正性や予見性に欠けると主張し、廃止を強く要請。中医協委員は支払・診療側とも廃止に反対姿勢を示すとともに、業界側に企業指標に代わる具体案の提示を求めたが、業界側から明確な回答はなかった。
 
 ヒアリングでは、▽日薬連▽日本製薬工業協会(製薬協)▽日本ジェネリック製薬協会▽米国研究製薬工業協会(PhRMA)▽欧州製薬団体連合会(EFPIA)▽日本医薬品卸売業連合会▽再生医療イノベーションフォーラム▽日本バイオテク協議会−の8団体が意見陳述した。
 
 通常の新薬は薬価収載後、薬価改定のたびに市場実勢価格に合わせた薬価の引き下げが実施される。これに対して、特許期間中の新薬創出等加算対象医薬品は、薬価引き下げ分が加算(新薬創出等加算)の形で改定後の薬価に上乗され、この間は収載当初の薬価が維持される。従来、加算率は一律だったが、18年度の薬価制度改革では企業の画期的新薬開発の取り組み実績に応じて加算率に差を設ける「企業指標」が導入された。
 具体的には、過去5年間の新薬収載や世界に先駆けた新薬の開発実績など、5項目の合計ポイント数で企業に順位をつけ、上位25%(I)、最低点(III)、それ以外(II)の3グループに区分。区分Iの医薬品は薬価引き下げ相当分を改定後薬価にそのまま上乗せするが、区分IIの上乗せ率(加算係数)は9割、区分IIIは8割に低減される。
 
 ヒアリングで日薬連、製薬協、PhRMA、EFPIAは、揃って企業指標の廃止を提言。治験や開発品目の数が多いほどポイントが獲得できる仕組みは規模の小さな企業に不利である上、順位づけという企業間の相対評価で加算区分が決まるために、企業が自社の位置づけを予測することが困難なことなどを理由に挙げた。
 業界側の主張に松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「革新的新薬の開発インセンティブという意味で数を評価するのは極めて自然なこと。どのようにすれば公平性が確保できるのか、具体案を示して説明してほしい」と反論。吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)も、「相対評価は予見性に欠けるという主張は理解できなくもないが、具体的にどのようにしたらいいか、案を持っているのか」と質問したが、業界側は「撤廃という表現を使ったが新しいものに変えてもいい」と譲歩したものの、具体案の提示には至らなかった。
 
 業界はこのほか、▽新薬創出等加算の品目要件の拡充(先駆け審査指定制度や条件付き早期承認制度、医療上の必要性が高く、優先的に審査された品目などを対象に追加)▽既収載品の効能追加であっても要件を満たす場合は有用性加算の対象にする(参照)(参照)▽新薬創出等加算を比較薬として類似薬効比較方式(I)で新薬の薬価算定をする際には、比較薬の累積加算相当額(薬価引き下げ相当分の累積額)の控除を今後も行わない−などを要望した。

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