[障害] 「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」を策定、精神障害等に対する合理的配慮の事例示す
[改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」を策定しました―厚生労働省(H27.3.25)]
精神科医療行政ニュース - 2015年 03月 27日
厚生労働省は3月27日、改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」を策定したことを公表しました。
障害者差別禁止指針とは、「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」のことで、すべての事業主を対象に、募集や採用に関して障害者であることを理由とする差別を禁止することなどが定められています。
事業主や同じ職場で働く人が、障害特性に関する正しい知識の取得や理解を深めることが
要とし、募集・採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練などの項目で障害者に対する差別を禁止しています。ただし、(1)積極的差別是正措置として、障害者を有利に取り扱うこと、(2)合理的配慮を提供し、労働能力などを適正に評価した結果、異なる取扱いを行うこと、(3)合理的配慮の措置を講ずることなどは、障害者であることを理由とする差別には該当しないとしています。
一方、合理的配慮指針は、「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」のこと。すべての事業主を対象に、募集や採用時には障害者が応募しやすいような配慮を、採用後は仕事をしやすいような配慮をすることなどが定めてられています。
まず、合理的配慮とは、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のものであるとしています。そのうえで、合理的配慮の事例として、多くの事業主が対応できると考えられる措置を、障害区分で列挙しています。
精神障害について見てみると、募集及び採用時には、面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること、としています。また、採用後は、(1)業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと、(2)できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること、などといったことがあげられています。
なお、厚生労働省は平成28年4月の施行に向けて、準備を進めていくとのことです。