[障害者] 平成26年の民間企業における精神障害者雇用は27,708.0人、前年に比べ大幅な伸び
[平成26年 障害者雇用状況の集計結果―厚生労働省(H26.11.26)]
精神科医療行政ニュース - 2014年 12月 12日
厚生労働省は11月26日、平成26年の障害者雇用状況の集計結果を公表しました。
障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合以上の障害者を雇うこと(法定雇用率)を義務付けており、平成25年4月1日以降は、50人以上規模の民間企業に対しては、法定雇用率は2.0%以上となっています(ちなみに、国、地方公共団体等2.3%以上、都道府県等の教育委員会2.2%以上)。
民間企業における雇用状況を見てみます。
50人以上規模の民間企業に雇用されている障害者数は 431,225.5人で、前年(408,947.5人)より22,278.0人(対前年比5.4%)増加し、11年連続で過去最高となりました。障害者種別では、身体障害者が 313,314.5人(同比3.1%増)、知的障害者が90,203.0人(同比8.8%増)、精神障害者が27,708.0人(同24.7%増)となっており、いずれも前年より増加し、特に精神障害者の伸び率が大きくなっていることが目立ちます。また、実雇用率は1.82%で前年の1.76%より0.06ポイント上昇、法定雇用率達成の企業割合は44.7%で前年の42.7%より2ポイント上昇しています。
次に、企業規模別に見てみると、雇用されている障害者数は、50〜100人未満規模企業で 39,445.0人(前年は37,410.0人)、100〜300人未満規模企業で82,368.0人(同78,157.
5人)、300〜500人未満規模企業で 40,379.0人(同38,773.5人)、500〜1,000人未満規模企業で 51,826.5人(同48,791.5人)、1,000人以上規模企業で 217,207.0人(同205,815.0人)となっており、すべての企業規模で前年より増加していました。
実雇用率については、1,000人以上規模企業(2.05%)と500〜1,000人未満規模企業(1.83%)が民間企業全体の実雇用率1.82%よりも上回っていました。また、法定雇用率達成企業の割合は、100人〜300人未満規模企業(45.9%)と1000人以上規模企業(49.5%)が民間企業全体の法定雇用率達成企業の割合44.7%を上回っていました。
現在の法定雇用率の算定基礎対象は、身体障害者と知的障害者です。しかし、平成30年4月1日からは、新たに精神障害者が追加されます。もっとも、法定雇用率は原則5年ごとに見直しが行われますが、平成30年4月1日施行後の5年間は、猶予期間とし、精神障害者の追加に係る法定雇用率の引き上げ分は、計算式通りに引き上げないこともあります。よって、精神障害者を含めた障害者の雇用状況は、その他の事情を勘案して政令で定めるとしています。
なお、障害者雇用数が法定雇用率の2.0%を下回っている事業主(常時雇用している労働者数が200人以上)は、「障害者雇用納付金」の納付が必要となっています。平成27年4月1日からは、対象事業者の範囲が拡大され、「常時雇用している労働者数が100人以上200人以下の中小企業事業者」も納付金の申請が必要となります。
今後ますます、障害者の法定雇用率の引き上げは進められるため、障害者雇用に対してより積極的な取り組みが求められます。