[診療報酬]精神科の急性期病棟では、医師16対1配置を評価する加算を新設
[中央社会保険医療協議会 総会(第270回 1/29)《厚生労働省》]
精神科医療行政ニュース - 2014年 01月 31日
厚生労働省は1月29日に、中医協総会を開催した。この日は厚労省当局からいわゆる「短冊」が示され、これに基づいた議論を行った。
「短冊」とは、新点数を除いた点数表の新旧対照表という位置づけだ。改定(新設を含む)される点数項目について、現行の内容(点数、算定要件、施設基準)と改定案を整理している。
精神疾患や認知症に関わるポイントを絞って眺めてみよう。
◆精神科の急性期病棟では、医師16対1配置を評価する加算を新設
●精神科急性期医師配置加算(新設)
・精神科の急性期病棟において、医師の16対1配置を評価する【精神科急性期医師配置加算(16対1)】を新設する
[算定要件]
(1)新規入院患者のうち一定以上が、一定期間以内に退院し在宅へ移行する
(2)過去1年間の時間外、休日または深夜における入院件数が一定以上である
(3)過去1年間の時間外、休日または深夜における外来対応件数が一定以上である
●院内標準診療計画加算(新設)
・クリティカルパスに基づいた計画的な診療を行う精神科医療機関を評価するために、【院内標準診療計画加算】を新設する
[算定要件]
入院日から起算して一定期間以内に医師、看護師および精神保健福祉士等が共同して、院内標準診療計画書(クリティカルパス)を策定し、当該計画書に基づき診療を行い、当該患者が一定期間以内に退院すること(退院時1回のみ算定)
●精神保健福祉士配置加算(新設)
・精神科の慢性期病棟において、精神保健福祉士の配置等で平均在院日数短縮等が見込まれることから、【精神保健福祉士配置加算】を新設する
[施設基準]
(1)当該病棟に専従の常勤精神保健福祉士を一定以上配置する
(2)(1)とは別に、退院支援部署または地域移行支援室に常勤精神保健福祉士を一定以上配置する
(3)措置入院、鑑定入院等の入院患者をのぞいて、当該病棟の新規入院患者のうち一定以上が1年内に退院し、在宅へ移行する
●精神科重症患者早期集中支援管理料(新設)
・長期入院後の退院患者や、入退院を繰返す病状が不安定な患者の地域移行を推進する観点から、24時間体制の多職種チームによる在宅医療に関する評価として、【精神科重症患者早期集中支援管理料】を新設する(多職種チームによるアウトリーチの評価)
なお、向精神薬の多剤処方に対する減額措置が厚労省当局から提案されているが、減額を行うか否かを含めて調整中とされている。学会等からの批判が非常に強いためだ。
◆認知症患者への集中的なリハ提供を評価する点数を新設
●認知症患者リハビリテーション料(新設)
・認知症治療病棟入院料を算定する患者、または認知症の専門医療機関に入院している重度の認知症患者に対する短期の集中的な認知症リハビリテーションを評価するために【認知症患者リハビリテーション料】を新設する
[算定要件]
(1)認知症治療病棟入院料等を算定する患者、または認知症の専門医療機関に入院している重度の認知症患者に対し、一定期間内に、週に一定日数を限度として、1回一定以上のリハビリを施行した場合に算定する
(2)理学療法士、作業療法士または言語聴覚士と患者が1対1で行う
(3)患者数は、従事者1人につき1日一定以下とする
(4)当該患者について、リハビリテーション総合計画評価料を算定している
[施設基準]
(i)認知症患者の診療経験を一定以上有する、または認知症リハに係る研修を修了した、専任の常勤医師が一定以上配置されている
(ii)専従の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が一定以上勤務している
(WIC REPORTより一部抜粋)