[診療報酬] 「病床機能分化等の改革に向けプラス改定が必要」 田村厚労相
[田村大臣閣議後記者会見概要(12/17・12/13)《厚生労働省》]
精神科医療行政ニュース - 2013年 12月 20日
田村厚生労働大臣は12月17日の閣議後に記者会見を行い、平成26年度診療報酬改定についてコメントしている。
田村大臣は「消費税引上げ分のプラス改定は、以前からカウントされている」旨をまず確認、そのうえで「医療提供体制の見直しなどの社会保障・税一体改革の中で充実しなければいけない部分」と「救急、周産期、小児などの国民から充実を求められている部分」、さらに「精神、認知症対策などの政策的にたいへん重要な部分」にしっかり対応できるような診療報酬改定を行わなければいけないと述べ、プラス改定の必要性を強調している(p2参照)。
また、診療報酬プラス改定が患者・国民負担増につながる点については、「何%のプラスなんていうことを我々もさすがに求めておるわけではございません。それほどの影響はない」との考えを披露(p2〜p3参照)。
さらに、「高齢化で高齢者が増えていく中において、当然のごとく今の医療体制では、本来必要な部分、たとえば回復期、療養のようなところよりも、7対1などの急性期のところのほうが多い。そこで医療を受けると、診療報酬が高いために医療費は伸びてしまう。そこを適切にするために、医療提供体制・病床機能の見直しをしようとしており、医療の給付の伸びを一定程度抑えられるのではないかと検討している。その点も総合的に勘案していただきながら、今回の大きな改革を実現するための診療報酬改定である」とも説明している(p3参照)。
ところで病床機能を充実するためには「スクラップしなければならない」部分がどうしてもでてくる。この点について田村大臣は「7対1が減っていくというのはスクラップの部分である」と述べたうえで、「ただしタイムラグはある」ともコメントしている(p5参照)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
田村厚生労働大臣は12月13日の閣議後に記者会見を行い、平成26年度診療報酬改定を巡り、麻生財務大臣や菅官房長官ら関係閣僚と協議を行ったことなどについてコメントしている。
田村大臣は、「税と社会保障の一体改革、消費税の増税分を使いまして適切な医療にアクセスできるような(医療提供)体制の整備をしていかなければならない」と各関係閣僚に伝えたという。
さらに「急性期からの受け皿になる病床を整備するとともに、在宅医療の推進をしていくことによって、適正な医療費の伸びに抑えていくということが重要」との旨を主張したとしている(p1参照)。
また「救急、周産期、小児、がん、認知症対策、精神科疾患の対策。こういうことも薬価改定で今までいろいろ対応してきているので、そちらの方の必要性というものも、私の方から意見を申し上げさせていただいた」と述べている。
政府内にある診療報酬のマイナス改定を求める声については、「これは必要性というものをしっかり御理解をいただけるよう、説明を具体的にさせていただきたい」としたうえで、医療費の伸びを放置するのではなく「重症化予防と健康管理を省内あげてやってきているわけですし、全体として適正なところに適正な患者さんがサービスを受けるようになれば、無駄な医療費の伸びというものは抑えられるわけで、適正に抑えていくということが大事であると思います」と強調した(p2参照)。
ところで12月12日に閣議決定された「平成26年度予算編成の基本方針」では、診療報酬改定について「新たな国民負担につながらないよう努める」とソフトな表現になっている(p2参照)。
田村大臣は、この件について「党の考えというものが一定程度反映されたのかなと。党の意見もしっかりと伺わなければいけないところでございます。将来に向かって、医療の給付というものの伸びを抑えていかなきゃならんということは共通した認識だと思います。あとは手法をどのような手法で取り入れていくかという話で、これから我々といたしましては、そのための必要な診療報酬を主張していくという話でございます」と方針を述べ、関係省庁と詰めの議論をしていくとしている(p2参照)。
他方、70歳から74歳の医療費自己負担2割を平成26年度から段階的に実施することについては、「まだ違う。予算編成の過程ですから」と否定している(p5参照)。