[改定速報] 26年度予算編成基本方針案、マイナス改定方針を明確に打出す
[経済財政諮問会議(平成25年 第25回 12/5)《内閣府》]
平成26年度 診療報酬改定 完全速報 - 2013年 12月 06日
内閣府は12月5日に、経済財政諮問会議を開催した。
この日は、事務局から「平成26年度予算編成の基本方針」案(p2〜p15参照)が提示され、これに基づいて議論を行った。
大方針として「社会保障をはじめとする義務的経費を含め、『聖域なく予算を抜本的に見直し』たうえで、経済成長に資する施策に重点化を図る」ことを打出している(p3参照)。
注目される26年度診療報酬改定については、「自然増を含む医療費の合理化・効率化に最大限取組み、新たな国民負担につながることは厳に抑制する。薬価と診療報酬本体を一体として見るのではなく、薬価については市場実勢価格を反映させるとともに、診療報酬本体について、これまで相対的に高い伸びを示してきたことを踏まえ、抑制する」とし、マイナス改定を行うべきとの方向が明確に示されている(p12参照)。
また薬価について、「長期収載品や後発医薬品の価格体系と価格水準の妥当性を検証し、全体としては実勢価格等を踏まえたマイナス改定を行う。また、新薬創造へのイノベーションを喚起する施策や、欧米並みの後発医薬品の普及率の早期達成を目指した取組を行う」と付言している(p12参照)。
介護については、「地域包括ケアシステム構築に向けた関係府省、自治体の有機的連携を進める」「介護・医療関連情報について、国民・地方自治体にとって有益な情報を利活用しやすいようにする」としており(p12参照)、連携や情報提供関係施策に重点的な予算配分が行われる見込みだ。
もっとも、アベノミクスの3本目の矢である「成長戦略(日本再興戦略)」を推進する中では、医療・介護は重要な経済牽引分野に位置づけられており、次のような見解も明らかにしている(p11〜p12参照)。
●これまでの医療・介護のICT利活用のための施策について、健康増進と医療費適正化の観点から予算の重点化を図りつつ、政府として府省横断的な評価に取組む
●レセプト・健診情報等のデータを活用したデータヘルスの推進
●特定健診・特定保健指導等を通じた生活習慣病予防等の推進
●糖尿病性腎症の重症化予防事業等の好事例の横展開
●健康・疾病データベース等の研究・分析基盤の確立に向けた取組
さらに、医療提供体制の改革(病床・病棟機能の分化・強化、連携など)については、「規制的手法を含む都道府県の役割の強化を通じて、病床の再編等を含めた医療機能の分化・連携等を推進するため、次期通常国会に医療法改正法案を提出する」としたうえで、新たな財政支援の制度については、「実効性を担保し、更なる国民負担につながらない効果的な措置を実施する」と述べるにとどめている(p12参照)。
もっとも、上記の「診療報酬マイナス改定方針」と合わせて考えると、これまでに提唱された基金方式を重視していると考えることができよう。
次回会合で、基本方針が取りまとめられる模様で、安倍首相は「経済成長に資する施策に重点化するとともに、消費税率を引上げる中にあって、歳出の効率化を徹底した質の高い予算としたい。経済再生と財政再建を両立させる基本方針を取りまとめてほしい」とコメントしている。