[障害者支援] 障害者虐待防止法に基づく対応状況、平成24年度調査の結果示される

[平成24年度「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果報告書―厚生労働省(H25.11.11)]

精神科医療行政ニュース - 2013年 11月 15日

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 厚生労働省は11月11日、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する、平成24年度調査の結果報告書を公表しました。

 

 障害者虐待防止法は、障害者への虐待を防止し、養護者に対する支援等に関する施策を促進することによって、障害者の権利利益の擁護に役立てることを目的に、平成23年6月に成立されました。「障害者」とは、身体・知的・精神障害、その他の心身機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活・社会生活に相当な制限を受ける状態にある者を言います。「障害者虐待」とは、(1)養護者による障害者虐待(2)障害者福祉施設従事者等による障害者虐待(3)使用者による障害者虐待の3つで、類型は、(a)身体的虐待(b)ネグレクト(c)心理的虐待(d)性的虐待(e)経済的虐待の5つに分類されます。

 

 24年度調査の結果は、(1)養護者(2)障害者福祉施設従事者等(3)使用者―による障害者虐待についての対応状況等が報告されているほか、市区町村・都道府県における障害者虐待防止対応のための体制整備等がまとめられています。

 

(1) 擁護者による障害者虐待の対応状況
 市町村又は都道府県で受付けた相談・通報件数は3260件で、このうち2604件の事実確認調査を行った結果、虐待の事実が認められた事例は1311件(1件の事例に対し被虐待者又は虐待者が複数の場合があるため、被虐待障害者数は1329人、虐待者数は1527人)でした。被虐待者の障害種別は、高い順に、知的障害48.5%、精神障害36.0%、身体障害27.5%、発達障害1.9%という状況。
 虐待の種別・種類を見てみると、「身体的虐待」が60.3%と最も多く、「心理的虐待」34.8%、「経済的虐待」27.2%、「放棄、放置」21.1%、「性的虐待」4.1%と続きます。
 虐待への対応策では、被虐待者の保護として虐待者からの分離を行った事例が34.2%である一方、分離していない事例(一度も分離していない事例)が52.3%に上ることが分かりました。

 

(2) 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の対応状況
 市町村又は都道府県で受付けた相談・通報件数は939件で、このうち612件の事実確認調査を行った結果、虐待の事実が認められた事例は80件(1件の事例に対し被虐待者又は虐待者が複数の場合があるため、被虐待障害者数は176人、虐待者数は87人)でした。被虐待者の障害種別は、高い順に、知的害54.5%、精神害39.3%、身体障害19.7%、発達障害1.7%という状況。
 虐待の事実が認められた80件について、施設・事業所の種別を見てみると、「就労継続支援B型」25.0%、「障害者支援施設」22.5%、「共同生活介護(ケアホーム)」12.5%、「生活介護」が11.3%の順でした。
 虐待の事実が認められた事例への市区町村による指導等(複数回答)は、「施設等に対する指導」38件、「改善計画提出依頼」21件、「従事者への注意・指導」28件となっています。

 

(3) 使用者による障害者虐待の対応状況
 市町村又は都道府県で受付けた相談・通報件数は303件でした。相談・通報者を見てみると、「本人による届出」が47.9%、「家族・親族による通報」が15.8%、「相談支援専門員・障害者福祉施設従事者等による通報」が11.9%でした。


 このほか、市区町村・都道府県における障害者虐待防止対応のための体制整備状況がまとめられています。

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