[診療報酬] 財務省「26年度はマイナス改定」、日医は「あり得ない」と反発
[財務省「社会保障(2)(平成26年度予算編成の課題等)」について(10/23)《日本医師会》]
平成26年度 診療報酬改定 完全速報 - 2013年 10月 24日
日本医師会は10月23日の定例記者会見で、財務省が財政制度等審議会・財政制度分科会で披露した「平成26年度の診療報酬改定はマイナス改定とすべき」との見解に反論した。
財務省は10月21日に開かれた財政制度分科会において、次のような見解を披露している(p2参照)。
(1)財政状況は厳しく、26年度改定はマイナス改定とすべき
(2)医療提供体制改革(病床機能分化など)については、地域の実情に応じた対策が必要であり、「全国一律の診療報酬」以外の手段で対応すべき
(3)薬価引下げを「財源捻出」と捉えることは不適切であり、これを診療報酬本体の引上げに用いることは許されない
この見解に対し、日医は「社会保障・税一体改革においては、消費税増収による財源を社会保障の充実にあてることは国民との約束事項。医療提供体制の将来像を作成するまで診療報酬を増額しない、あるいはマイナス改定はあり得ない」と真っ向から反論している(p3参照)。
この論拠として日医は、次の3点をあげる(p4参照)。
(i)政府は、医療関連産業を「成長産業」に位置づけている
(ii)政府の目指す「保険外併用療養の拡大」をするためには、前提となる保険診療の充実が必要である
(iii)医療・介護は雇用を下支えする産業であり、成長戦略に向けても、医療・介護への財源投入は不可欠である
財務省見解のうち、とりわけ(3)の「薬価引下げと診療報酬本体への振替え(引上げ)」については、「薬剤と診察等とは不可分一体であり、財源を切分けることのほうが不適切」とコメント(p5参照)。
また、薬価引下げ分を診療報酬本体に振替えない場合には、実質的に「2002(平成14)年から2006(平成18)年まで行われた『社会保障費の自然増』に対する年間2200億円の機械的削減を復活させるもの」と批判している(p6〜p7参照)。
一方、(2)の医療提供体制改革については、「地域の実情に応じた財政支援(基金など)」という財務省見解そのものは否定しないものの、「日本の医療の全体的な底上げのために、診療報酬の増額も不可欠」と述べている(p9参照)。