[自殺対策] 「よりそいホットライン」に寄せられた電話相談、自殺防止ラインが11%
[「よりそいホットライン」平成24年度報告書が刊行されました。−厚生労働省(H25.9.19)]
精神科医療行政ニュース - 2013年 09月 27日
9月19日、厚生労働省は、「よりそいホットライン」の平成24年度報告書が刊行されたことを明らかにしました。
この「よりそいホットライン」は、厚生労働省の補助金を受けて、一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が実施しているものです。24時間365日つながる無料の電話相談窓口を設置し、電話による相談を受けて悩みを傾聴するとともに、必要に応じ、面接相談や同行支援を行い、具体的な問題解決に繋げる寄り添い支援を行うものです。
平成24年度の事業実施期間は平成 24 年4月1日から平成25年3月31日までの 365 日で、合計 1087 万 8227 件のアクセスがありました。内訳は、一般ラインが79.8%、自殺防止ラインが11.0%、DV・性暴力ラインが5.2%、外国語対応ラインが0.4%、セクマイ(セクシュアルマイノリティ)ラインが3.6%という状況でした。このうち、相談につながった件数は約 38 万 4754 件だったそうです。
報告概要をみて見ると、よりそいホットラインにかけてくる相談者は、仕事がない割合が6割近くで、支援に繋がっても、就労と家族関係の悩みの解消は難しい、としています。また、労働の悩みを持つ相談者の希死念慮(具体的な理由はないが漠然と死を願う状態)は高く、うつや統合失調症に悩んでいる相談者の割合も高いことが分かりました。さらに、発達障害に悩む相談者では、不安感が高く、就労支援の受入れ体制が不十分としています。このほか、相談者の孤立状況は極めて深刻とも報告しています。
資料には、よりそいホットラインにつながった代表的な相談事例とその支援がまとめられています。
なお、「社会的包摂サポートセンター」では、東日本大震災等の影響により様々な困難を抱えながら支援に辿り着けずにいる人や、社会的に排除されがちな人(生活困窮者、高齢者、外国人、セクシュアルマイノリティ、DV・性暴力被害者、障害者、ホームレス、多重債務者、ひとり親世帯など)への多角的な支援事業等を通して、誰もが「居場所」や「出番」を実感できる社会の実現に寄与することを目的とし、以下の事業を行っています。
(1)寄り添い支援事業
(2)社会的排除の実態解明事業
(3)直接支援団体ネットワーク化事業
(4)人材育成事業
(5)政策提言事業
(6)基金運用事業
(7)前号に附帯関連する事業