[精神医療]依存症者に対する医療及びその回復支援、今後の取組等を整理
[依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会-厚生労働省(H25.3.28)]
精神科医療行政ニュース - 2013年 04月 26日
厚生労働省は、「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」を開催しています。
同検討会では、初会合で、アルコールや薬物依存症患者の現状が提示され、依存症対策に関する厚生労働省の取り組みなどが報告されました。また、第2回(12月21日)会合では、国立病院機構 肥前精神医療センター院長である杠岳文先生、全国自治体病院協議会精神科特別部会 運営委員の川副泰成構成員、全国精神保健福祉センター長会 副会長の田辺等構成員からヒアリングを行い、第3回(1月31日)会合では、依存症の当事者や家族等からそれぞれヒアリングを行ったことを、過日の記事でお伝えしました。
今般、厚労省当局から検討会報告書案が提示され、2回の会合を重ねており、近く取りまとめに入る運びです。
報告書案をみてみると、大きく(1)検討の趣旨(2)現状と課題(3)今後必要と考えられる取組、が整理されています。
地域の要とする精神保健福祉センターには、依存症についての専門相談員を配置し、保健所や市町村と連携して相談支援及び関係機関の連絡・調整を行うことや、国と都道府県が連携をして、依存症に適切に対応する医療機関の体制を充実させる方針です。各都道府県に 1 箇所以上を目途として地域における依存症治療拠点機関の整備を目指すとしています。
精神保健福祉センターについては、役割を十分に果たすことができない場合があることとして、今後は保健所や市町村との連携や、外部の専門家を非常勤職員として採用する等の工夫により、実情に応じて本来の機能を高めていくことが必要である、と指摘しています。このほか、多くの医療関係者が依存症の治療に従事できるようにするためのガイドラインも必要と考えられる、とした上で、依存症の診療を行う医療機関や、そこに従事する医師に対しては、人的・経済的支援等の何らかのインセンティブを与える等、医療の提供体制の整備が進むような手立てが求められる、とも付言しています。