[メンタルヘルス] 4人に1人が、過去3年間でメンタルヘルス不調経験者

[「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」結果−独立行政法人労働政策研究・研修機構(H26.11.25)]

精神科医療行政ニュース - 2014年 12月 05日

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 独立行政法人労働政策研究・研修機構は11月25日、「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」結果を公表しました。

 この調査は、2010年に第1回目を行っており、今回は2回目となります。調査期間は、2014年1月11日〜2月3日にかけて、住民基本台帳をベースとした層化二段階抽出によって行われたものです。具体的には、全国満20歳以上65歳以下の男女から抽出した8000人を対象に、有効回答は4573人(有効回収率57.2%)から得ています。

 調査項目は大きく、(1)就業の実態、(2)いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントの状況、(3)メンタルヘルスの状況、の3つ。ここでは、(3)のメンタルヘルスの状況を見てみます。

 過去 3 年間で、落ち込んだり、やる気が起きないなどの精神的な不調(メンタルヘルス上の不調)を感じたことが「ある」と回答した人は、25.7%(n=4573)と4 分の 1 を占め、「ない」と回答した人は 71.6%(n=4573)でした。性・年代別では、女性の若い層でメンタルヘルスに不調を感じる人の割合が高いことが報告されています。

 現在、就業中(n=3559)のうち、メンタルヘルス不調を感じたことが「ある」と回答した人は25.8%で、「ない」と回答した人は71.2%でした。産業別でメンタル不調を感じたことが「ある」と回答した人は、多い順に「鉱業、採石業、砂利採取業」(40.0%)、「医療、福祉」(36.0%)、「金融業、保険業」(33.1%)と続きます。

 長時間労働はメンタルヘルス不調者の発生頻度を高めることが指摘されていますが、今回の調査でも、1週間の総労働時間が「90時間以上」で不調を感じた人の割合は、37.5%と最も高く、次いで「70〜79時間」が30.4%などとなっています。長時間労働をしている人で、全体の25.8%を大幅に上回っていることが分かりました。

 メンタルヘルスに不調を感じた人(無業者含む全数)のうち、76.5%は「通院治療なしでも、日常生活を送れる状態」で、「通院治療しながらなら、日常生活を送れる状態」が 16.2%、「通院治療しながらでも、日常生活を送るのが困難な状態」が3.3%となっています。よって、メンタルヘルスに不調を感じた人の2 割程度が通院治療を必要としていました。

 また、メンタルヘルスの不調のその後の状況(n=894)の報告では、13.3%が退職していることが分かりました。性・年代別でみると、男女ともに60代が最も多く、男性24.0%、女性34.6%という状況。一方、「休職も通院治療もせずに働き続けている」は全体の72.0%、「休職せず通院治療しながら働いている」は8.3%となっています。なお調査では、メンタルヘルス不調でも働き続けられるように希望する支援策についても結果が集計されています。

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